国立科学博物館「未来技術遺産」に「スプリングドライブ」が登録
セイコーホールディングス株式会社
セイコーエプソン株式会社
セイコーウオッチ株式会社
セイコーホールディングス株式会社とセイコーエプソン株式会社、セイコーウオッチ株式会社は、ぜんまいで駆動しクオーツで制御する世界初の高精度腕時計「セイコー スプリングドライブ 7R68」が、独立行政法人国立科学博物館が認定する2021年度「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に登録されましたことをお知らせいたします。
「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」とは独立行政法人国立科学博物館が、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ特筆すべき発明や開発品を、世界有数のわが国の科学技術の歴史を示す実物資料として登録する制度で2008年に制定されました。
セイコー製品の登録は、2018年度の世界初のクオーツ式腕時計「セイコー クオーツアストロン 35SQ」、2019年度の世界初の6桁表示デジタルウオッチ「セイコー クオーツLC V.F.A. 06LC」、2020年度の「スパイラル水晶時計 SPX-961」、「音声報時時計ピミッドトーク DA571」、「超超薄型掛時計 HS301」の3点に続き、4年連続となりました。
今回認定のスプリングドライブをはじめ、セイコーの未来技術遺産登録製品および関連資料はいずれもセイコーミュージアム 銀座(東京都中央区)に常設展示※されています。
※セイコー クオーツ アストロン35SQ認定資料はセイコーエプソン所蔵、セイコーミュージアムでは同機種を展示
■登録資料の詳細
名 称 :セイコー スプリングドライブ 7R68
発 売 年 :1999 年(平成 11 年)
特 徴 :手巻式
開発・製造 :セイコーエプソン株式会社
商品企画・販売 :セイコー株式会社(現・セイコーホールディングス株式会社)
※現在はセイコーウオッチ株式会社が企画・販売
<認定理由>
従来の機械式時計は、ぜんまいを動力として機械的に調速を行っています。この精度を画期的に進歩させたのが調速機構のクオーツ化です。クオーツ腕時計は、当初定期的な電池交換の必要があり、また重い針を回すにはパワーに課題がありました。これを解消したのが、動力源であるぜんまいから伝達される機械的エネルギーで針を駆動する、機械式時計と高精度のクオーツ時計を融合した世界初の腕時計「スプリングドライブ」です。
「独自設計により、電池(二次電池を含む)を搭載せず、ぜんまいを動力源としながら、水晶振動子・ICからの正確な信号によって精度を制御することで日差±1 秒を実現したアナログ時計機構として重要である」として今回の登録が決定しました。
<開発の経緯>
スプリングドライブの構想は1977 年にスタートしました。しかしながら、自己完結型の機構の稼働を実現するためには、エネルギー消費を低減し微弱な電流で稼動するIC と発電機の開発が必須であり、20 年を経た1998 年に腕時計の製品化への技術が確立し、本製品の発売は翌年1999 年のことでした。その後も、当機構をベースに2004 年に自動巻、2006 年に音で時刻を知らせる複雑時計、2007 年にはクロノグラフ(ストップウオッチ機能搭載)などの開発を進め、2016 年には、8 日間という長い持続時間を実現するなど、多彩な方向にその進化は続いています。
<スプリングドライブの特長>
ぜんまいを動力源とすることから、スプリング(ぜんまい)ドライブ(駆動)と名づけられたこの機構は、蓄電池を含む一切の電池を使用しないことで温度変化の影響を受けにくく、針を回す力が強いため対衝撃性に優れています。エベレストなどの高山登山や、宇宙での船外活動での着用など、極めて高い耐久性が実証されました。また、チクタクと時を刻まず、静寂の中で流れるように進む秒針の動きの美しさは世界中で高い評価を受けています。
春のモナコ・レジェン 2023年12月01日(金)10時51分 編集・削除
オークションがはじまると、いよいよ時計に夢中になっていった。